髪に良い食べ物悪い食べ物とは?
髪の毛の悩みは、男女ともに抱える大きな悩みの一つ。
- ・抜け毛が気になる
- ・ハリやコシがなくなってきた
- ・髪の毛が細くなってきた
- ・髪のボリュームが少なくなった
様々なお悩みがあります。
髪に良い食べ物って何?と問われるとよく「わかめ」「ひじき」などの海藻類と答える方が多くおられます。
私も母から「髪にいいからわかめを食べなさい」と言われたものです。
しかし、海藻類だけ食べていたら大丈夫と言うわけではありません。
良質な髪を育てるために必要な成分
髪自体に必要な栄養素
タンパク質
髪の基本成分はケラチンです。
ケラチンとは細胞骨格を構成するたんぱく質の一つです。
ケラチンの元になる上質なたんぱく質(アミノ酸がバランス良く含まれているたんぱく質)を含む食品が良いとされます。
亜鉛
ケラチンを合成する機能があり、亜鉛が不足すると毛髪が再生しにくくなると言われています。
亜鉛を最も多く含む食材は牡蠣です。
コラーゲン
髪のツヤやハリをよくします。
ビタミンC
コラーゲンは、吸収率が悪いので、体内でコラーゲンを効率的に生成することもハリ艶を出す為に効果的です。
ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートします。
ビタミンCの他にも「コエンザイムQ10」や「オルニチン」もよいとされています。
<食品>
アセロラ、ケール、パセリ、グァバ、海苔、柿、キウイ、オレンジ、イチゴ、ブロッコリー、パプリカ、など
抜け毛予防に必要な栄養素
ビタミンE・Aなどその他ビタミン類
血液の循環を良くするとされているビタミン類。
血流をよくすることで、抜け毛を予防します。
<食品>
ビタミンE:植物性油、アーモンド、唐辛子、小麦はいが、煎茶など
ビタミンA:豚レバー、鶏レバー、鮎、うなぎ、銀鱈、ホタルイカなど
EPA(エイコサペンタエン酸)
血栓をつくりにくくして血流をよくする効果があります。
<食品>
くじら、すじこ、いわし、さば、鮎、まぐろ、いくら
ナットウキナーゼ
ビタミンKを多く含むことで有名な納豆に含まれているナットウキナーゼ(酵素)も血液をサラサラにすると話題になりました。
<食品>
納豆
クエン酸
クエン酸には、血小板が過剰に固まるのを防ぎ、赤血球の変形の力を高め、血液中の老廃物を減らし、コレステロールや脂肪の分解を促進するという効果があるとされています。
<食品>
お酢、梅干し、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、イチゴなど
β-グルカン
β-グルカンはきのこに含まれる成分で、血糖値やコレステロール値を下げ、白血球などを活性化して血液の流れをよくするとされています。
<食品>
シイタケ、えのき、エリンギ、しめじなど
頭皮の新陳代謝促進に必要な栄養素
ビタミンB2・B6・B12類
健康的な髪の毛は、健康的な頭皮から作られます。
ビタミンB群は細胞の新陳代謝を助け、健康な頭皮をつくります。
<食品>
B2:しろさけ、レバー、海苔、卵白、パセリ、まいたけ、パプリカなど
B6:唐辛子、米ぬか、ニンニク、バジル、小麦胚芽、ピスタチオ、こんにゃく、バナナなど
B12:しろさけ、しじみ、海苔、かたくちイワシ、あさり、鮎、あげまき貝、赤貝、レバーなど
ホルモンバランスを整える栄養素
ヨウ素(ヨード)
ヨウ素は改装などに多く含まれるミネラルです。
甲状腺の働きが活発になり、発毛をうながすと言われています。
<食品>
こんぶ、ひじき、わかめ、海苔、などの海藻類
イソフラボン
女性ホルモンであるエストロゲンは、髪の成長を促す重要なホルモンです。
大豆製品に多く含まれるイソフラボンは、「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをするとされています。
同様な食品として、「マカ」「ザクロ」なども知られています。
<食品>
納豆、豆乳、豆腐、油揚げ、大豆煮、きな粉、味噌など
髪に良くない食事
血行を悪くする食事
髪を作る毛母細胞は、毛髪を作り出す為にたくさんの栄養を必要とします。
血行が悪くなると、毛母細胞に十分な栄養が届かずに毛髪が細くなってしまったり、抜け毛となってしまいます。
揚げ物
揚げ物に限らず高脂肪な食べ物は、食べ過ぎると「高脂血症」という状態を作り出し血行を悪くしてしまいます。同じ油でもオリーブ油などオレイン酸を多く含むものを使うと悪玉コレステロールだけを減らす作用があります。
<食品>
唐揚げ、とんかつ、フライドポテト、ドーナツ、天婦羅など
塩分の高い食べ物
塩分を摂りすぎると、体は塩分濃度を薄めようと水分を過剰にため込み血液量が増加します。いわゆる「高血圧」という状態です。高血圧は血量が多いので流れも良さそうなイメージをお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、末梢血管に血液が流れにくくなる場合があります。
頭皮も末梢組織であるため、高血圧になると血圧が高いにもかかわらず頭皮の血流は悪くなってしまい、髪へ栄養を十分に届けることができなくなってしまうのです。
<食品>
塩辛、漬物、ベーコン、うどん、ラーメン、ピザなど
ファーストフード
ファーストフードは、栄養バランスに偏りがあり肥満になりやすい傾向があります。また一般に食品添加物や保存料などが使用されているケースが多く、脱毛促進に影響がある場合があります。
<食品>
ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキン、サンドイッチ、ピザなど
ホルモンバランスを崩す食事
AGA(男性型脱毛症)や、FAGA(女性男性型脱毛症)はホルモンバランスの崩れが主な原因とされています。
ファーストフード・インスタント食品
一般的に添加物が多く使用されているとされるファーストフードやインスタント食品は、成長ホルモンの分泌を妨げる可能性があります。
<食品>
ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキン、ピザ、カップラーメンなど
無理なダイエット
炭水化物を全くとらない。極端に食事の量を制限する。などの無理なダイエットは、ホルモンバランスを崩します。
<食事>
無糖質ダイエット、〇〇だけダイエットなど
冷たい飲料物
冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎると身体が冷え、自律神経に支障をきたします。自律神経の乱れは血行不良を引き起こし抜け毛が増加します。
<食品>
冷たいジュース、アイスクリーム、氷など
髪に良くないとされる食品を食べなかったらいいのか?
髪に良くないとされる食品に「揚げ物」とあります。抜け毛予防に良い栄養素であるビタミンEを含む食品に「植物性油」とあります。矛盾を感じますよね。
「揚げ物」が悪い食べ物であるというわけではなく、揚げ物を「食べ過ぎる」行為に悪い影響があると言えます。
「ファーストフード」も同じです。「ファーストフード」ばかりを食べる行為は添加物の過剰摂取や栄養バランスの偏りを生むため髪に良くない影響があると言えます。
「冷たい飲料物」飲みたいですよね。飲んだらすぐ薄毛になってしまうのでしょうか?そういわけではありません。自律神経に支障をきたすほどの「過剰摂取」が悪だと言えます。
まとめ
いかがでしたか?
髪によいとされる栄養素は、思いのほかたくさんあったのではないでしょうか?
昔から「わかめ」が髪によいと言われるのも、間違いではありませんが一日に必要なヨウ素はごくわずかで日本の食生活からヨウ素が不足しているとされる日本人はほとんどいません。
逆にヨウ素を摂りすぎると甲状腺機能低下をまねくことがあります。
わかめにかぎらず、偏った食生活は思わぬ弊害が生まれるのです。
「あちらを立てるとこちらが立たず」という言葉があるように、髪に良いからと1つの食費に決めて大量に摂取するよりもまんべんなくバランスの取れた食生活を送ることが何よりも大切です。
今日の食事が明日のあなたを作るのではなく、毎日の食事が5年後10年後の未来のあなたを作るのです。
また、忙しい現代社会において毎日3回の食事をバランスの取れたものにすることは、容易ではありません。
食生活を補うサプリメントなどもたくさん発売されていますが、あくまでも補助的な役割だと理解した上での利用しましょう。
髪を守るための食生活は、健康を守る事とほぼ同意です。
これさえ食べたら。これさえ食べなければ髪がふさふさになると言ったことはありえません。
このコラムが、日々の食生活に足りない栄養素がなかったか?などの見直しにつながりましたら嬉しい限りです。
最後に
薄毛の原因は、食生活だけではありません。
薄毛になってしまった方が改善を求められる場合は食生活の改善だけで効果がすぐに出ることは期待できません。
食生活は、髪において非常に大切な要素ですが、残念ながら即効性のある解決方法とは言えません。
短期間での発毛効果を求める方は、クリニックでの診療をお勧めいたします。
■参考文献
食品成分データベース(文部科学省)
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ヘア治療詳細ページ
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