下眼瞼のクマ、たるみの治療には複数の治療方法があります。
現在当院では、以下の方法を行っています。
- 下眼瞼脂肪除去(下眼瞼脱脂とも呼ばれます。)
- 脂肪除去+注入(脂肪、コラーゲン、ヒアルロン酸のいずれか)
- 注入(脂肪、コラーゲン、ヒアルロン酸)
- 裏ハムラ法
- ハムラ法
- 下眼瞼皮膚切除
- 美容皮膚科 機器による治療(高周波機器、プラズマ、フラクショナルレーザーなど)
- 美容皮膚科 皮膚の色素改善の治療(ゼオスキンヘルス、レーザー、外用材、内服薬など)
また、上記以外にもACRS、リジュランアイなど、いずれも導入検討中です。
美容皮膚科的治療を合わせるととても多くの治療を行っています。
下眼瞼のクマには青クマ(赤クマとも呼ばれます)、茶クマ、黒クマ(影クマとも呼ばれます)、それらの組み合わせなど様々な状態がありますので、一つの治療ではどうしても全て改善できない場合があり、そのためいくつか治療を組み合わせないといけない場合があり、このように治療の種類が増えています。
今回、代表的な目の下のクマの症例をいくつかお示しし、どの治療が適しているか解説していきます。
クマの治療と効果
当院で行っている治療とその効果について
当院でクマに対して行っている治療を中心にその効果についてまとめています。
(皮膚の色素沈着による「茶クマ」は今回省略しています。)
○は効果あり、△は効果ややあり、×は悪化、−は効果なしです。
例えば、下眼瞼脂肪除去は、脂肪の膨らみを取って、その下の凹みを改善する効果はややありますが、皮膚のたるみが悪化する可能性とシワが出てくる可能性があります。青クマには効果がありません。
ただ、下眼瞼脂肪除去の後には、ヒアルロン酸注入や脂肪注入を行えますので、これらを組み合わせると、脂肪の膨らみはしっかり取れ、くぼみは注入によりしっかりと改善し、皮膚のたるみもやや改善し、シワが出ることはなく、青クマも注入材によっては改善できます。
皮膚を切るハムラ法は、青クマには対応できませんが、その他全てに対応できる方法で、結膜側から行う裏ハムラ法は、脂肪の膨らみとくぼみには対応でき、皮膚のたるみや青クマの改善効果は無いです。
様々なクマの状態と適している治療
具体的な症例写真から、適している治療を解説していきます。
どの治療を行ったら良いか迷っている方は、似たようなお写真を見つけて参考にしてください。脂肪の膨らみが少ない順に並べています。
脂肪の突出がなく、凹みが目立つパターン
脂肪の突出がなく、皮膚のたるみもほとんどありません。目の下のくぼみが強く、さらに青クマが見られます。
この場合のおすすめの治療はこちらです。
上段が効果が高く比較的高額な治療、下段が費用を極力抑えつつ効果を出す方法です。
- 脂肪注入(マイクロファット+ナノファット)
- くぼみと青クマを改善するため、脂肪注入が最も良い方法です。
- コラーゲン注入
- ヒアルロン酸注入でもくぼみは改善できますが、この方のように皮膚が薄く、青クマがある場合は、ヒアルロン酸が少し透けて見える「チンダル現象」を起こしやすいので、一つ注入材を選ぶとすれば、青クマに適したコラーゲン注入の方が改善度合いが高いと思われます。
脂肪の突出と青クマがあるが、皮膚のたるみが無いパターン
20代くらいでクマが気になる方はこのパターンが多いです。元々、青クマがあって若い頃から気になっており、脂肪が突出してきてさらに気になってくるようです。
- 下眼瞼脂肪除去+脂肪注入(マイクロファット+ナノファット)
- 突出した脂肪を除去し、くぼみと青クマを改善するため脂肪を注入します。 当院ではこのパターンの方には、下眼瞼脂肪除去だけ行ってから注入するかどうか決めてもらうことが多いです。下眼瞼脂肪除去だけでは、青クマの改善はできませんが、膨らみが取れて化粧で隠せるようになったから満足される方が多いです。
- 下眼瞼脂肪除去+コラーゲン注入
- 脂肪除去をした後、コラーゲンを注入して青クマを隠すことができます。脂肪注入までは行わない場合、効果を出すとするとコラーゲンの注入がおすすめです。
実際は、この方は脂肪除去だけされました。
脂肪の膨らみが取れることで、くぼみも目立ちません。
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脂肪の突出があり、くぼみが少し目立つパターン
やや脂肪の膨らみが強いです。青クマは軽度です。
若い頃は気になってなかったけど、だんだん加齢と共に気になってきたという方に多いパターンです。
- 下眼瞼脂肪除去+脂肪注入(マイクロファット+ナノファット)
- 突出した脂肪を除去し、くぼみと青クマを改善するため脂肪を注入します。
裏ハムラ法も適応になりますが、青クマを改善できないため、ベストは上記治療になります。
- 下眼瞼脂肪除去(+ヒアルロン酸注入)
- 先ほどのパターンと比べ、皮膚が薄くなく、青クマは軽度であるため脂肪以外を注入するとすればヒアルロン酸が良いと思われます。下眼瞼脂肪除去だけでも改善度合いは高いパターンです。
実際は、この方は、下眼瞼脂肪除去+脂肪注入(マイクロファット+ナノファット)を行いました。
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同じようなパターンの別の症例です。
この方は、脂肪除去のみ行いました。
このパターンは脂肪除去だけでも満足度が高いですね。
脂肪の突出があり、くぼみが目立つが、たるみと青クマが無いパターン
若い頃は気になっていなかったけど、加齢と共に段々気になってきたという方に多いパターンです。脂肪がしっかり突出しており、青クマが目立たないので、脂肪の膨らみとくぼみだけを改善すれば良いです。
- 裏ハムラ法
- 裏ハムラ法がぴったりのパターンです。皮膚のたるみと青クマはないので、脂肪の移動をしっかりと行うことで、脂肪の突出とくぼみを確実に改善できる方法です。
- 下眼瞼脂肪除去
- 適量脂肪を除去するだけでも十分改善できます。ただ、取る量が少ないとまた脂肪が膨らんでくる「再発」が起き、取る量が多すぎると、くぼみが気になってしまいます。
(脂肪除去は何度も行う治療ではないので、どちらかと言うと取る量を多めにして、くぼみを改善する方法を後に行うべきだと言うのが私の考えです。)
実際はこの方は裏ハムラ法を行いました。
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脂肪の膨らみがしっかりあり、くぼみもあり、さらに青クマが強いパターン
脂肪の突出があり、数年間ほど経つと段々皮膚のたるみが出てきます。たるみが強くなると、皮膚の切除を伴う治療が必要になりますが、この程度であればまだ皮膚を切る必要はないです。ただ、脂肪除去だけの場合、皮膚のたるみが悪化することがありますので、脂肪除去の後に、脂肪注入などの注入治療か、裏ハムラ法を行う必要があります。
青クマが強いので、どちらかといえば脂肪注入が適しています。
- 下眼瞼脂肪除去+脂肪注入(マイクロファット、ナノファット)
- しっかりと脂肪を除去し、くぼみと青クマの改善のため脂肪注入することがベストです。
- 下眼瞼脂肪除去+コラーゲン注入(+ヒアルロン酸注入)
- 脂肪注入を行わない場合は、青クマの改善のためコラーゲン注入を行うと良いです。
この方の症例は後日、別記事でご紹介いたします。
脂肪の突出が強く、皮膚のたるみ、くぼみも強いパターン
脂肪の突出が強く、加齢とともにどんどん悪化し、皮膚のたるみやくぼみが目立つパターンです。男性は化粧などで隠す習慣がないので、ここまで進行しても皮膚の色素沈着など茶クマは少ないことが多いです。
- ハムラ法
- この程度になると、皮膚を切開して、脂肪をくぼみに埋めるように移動する「ハムラ法」が最適です。皮膚のたるみの程度によっては、「裏ハムラ法」や「脂肪除去+脂肪注入」でも行えます。
- 下眼瞼脂肪除去+ヒアルロン酸注入
- 脂肪除去だけでは、たるみやくぼみの改善はできず、かえってたるみは増す可能性もあるため、ヒアルロン酸注入だけでも追加すると良いです。
実際は、この方は下眼瞼脂肪除去とヒアルロン酸注入を行いました。
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脂肪の膨らみがしっかりあり、くぼみ、皮膚のたるみもあるが、皮膚が薄いパターン
先ほどの男性の方と状況は似ていますが、この方の場合皮膚が非常に薄いです。
この場合、脂肪除去をしただけでも、皮膚はたるみにくいのが特徴です。
- ハムラ法
- ハムラ法を行える医者であればほぼ「ハムラ法」を勧めるはずです。
- 下眼瞼脂肪除去(+ヒアルロン酸注入)
- 皮膚を切りたくない場合は下眼瞼脂肪除去だけもしくは、ヒアルロン酸注入の追加で満足されます。
実際はこの方は、下眼瞼脂肪除去のみ行っています。
くぼみは依然目立ちますが、皮膚のたるみの悪化はなく、全体の印象はかなり改善していることがわかると思います。
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脂肪の膨らみ、皮膚のたるみが強く、くぼみがしっかりあるパターン
脂肪の突出が強く、皮膚のたるみもかなり強いです。このパターンは、皮膚を切る治療が第一選択です。皮膚を切りたくない場合、脂肪除去だけを行うと先ほどの方と比べ皮膚の厚みもあるため、必ずたるみが悪化します。よって少なくともヒアルロン酸などの注入治療を行わないといけません。
- ハムラ法
- どうしても皮膚を切ることができない場合は、裏ハムラ法を行うこともできますが、皮膚のたるみは残ってしまいます。
- 下眼瞼脂肪除去+ヒアルロン酸注入
- こちらの治療で行うこともできますが、最終的に皮膚を切除する可能性もあります。
実際はこの方は、最初に下眼瞼脂肪除去だけ行いましたが、最終的に皮膚切除と脂肪注入まで行いました。脂肪除去を先にしてしまうと、後からハムラ法は行えませんので、注意が必要です。
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クマのパターン別に治療方針を解説しました。今回は、主に外科的な治療を中心に組み合わせましたが、当院には目の下のクマに有効な医療機器がいくつもあります。
実際は、その方のご要望に応じ、美容皮膚科的な治療も合わせ、最適な治療をご提案していきます。
下眼瞼のクマ治療、私のこだわり
- 下眼瞼の脂肪除去を行う場合、再発しなくていいようにしっかりと脂肪を摘出します。
- 脂肪の除去は丁寧にかなり時間をかけて行います。何度か治療中に座っていただき、過不足なく脂肪が除去されているのを確認します。術中の出血はほぼありません。
- 皮膚のたるみが強い場合は、皮膚を切る治療(ハムラ法)を行いますが、できるだけ皮膚を切らない脂肪除去と注入もしくは裏ハムラ法で行えるよう努力しています。無理に皮膚を切る治療は勧めていません。
- ヒアルロン酸注入を行う場合、入れ過ぎるといわゆる「ヒアル顔」になりますので、慎重に注入します。
- ご自身の脂肪を使って行うのマイクロファット ・ナノファット注入を行なっています。特に目の下のクマや目の上の窪み、おでこにはおすすめです。
注入の際は、脂肪注入専用の機器を使って治療します。
2021年8月現在、脂肪注入治療のモニターさんを募集しています。詳細は当院までお問い合わせください。
- 目の下の「青クマ」が強い方の場合、マイクロファット、ナノファットの脂肪注入かコラーゲン注入を行なっています。
- 当院院長が、2020年に発行された美容皮膚科雑誌の「BEAUTY」でクマ治療について執筆しています。
当院では、美容外科治療と美容皮膚科治療の両面でクマ治療を行なっています。
この治療についてさらに詳しく
ハムラ法・裏ハムラ法をご覧ください。
当院オリジナル 下眼瞼脂肪除去をご覧ください。
脂肪注入をご覧ください。
ベビーコラーゲンをご覧ください。
ヒアルロン酸注入をご覧ください。
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セイコメディカルビューティクリニック 曽山浩輔
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