「ワキガ」と聞くと、なんとなく男性が多いイメージをもつ方も多いかもしれませんが、実際の日本人のワキガの男性と女性の割合は、1:1もしくは女性がやや多いくらいで、遺伝形質上ではほとんど差はありません。
女性は男性よりも腋臭強度が低いとの報告もあり、さらには女性の方がより臭いに気を使う方が多いので軽度のワキガでは他人に気付かれないことも多いようです。
実際に治療を受ける割合は女性の方が多く、「女性にワキガが多い」と誤った認識もあるようです。
ワキガのピーク
ワキガは性ホルモンの働きに影響を受けます。
性ホルモンの発育が始まる思春期にワキガを発症することが多く、成長と共に強くなり、20代前後がピークとなります。壮年期以降は徐々に腋臭強度は低下します。
ワキガと生理の関係
また、女性は生理前や生理中に腋臭強度が強くなることがあります。
生理中は「プロゲステロン(別名:黄体ホルモン)」と呼ばれるホルモンが分泌されます。
プロゲステロンは、排卵直後から分泌量が増えるホルモンで、体温を上げて受精した卵子の着床を助ける働きがあります。
体温が上がると汗や皮脂の分泌がさかんになり、ワキガでない人もワキガの人も体臭が強くなりやすくなります。
ワキガと出産
妊娠や出産をきっかけに体に様々な変化が起こる方が多くいらっしゃいます。
産後は女性ホルモンの急激な低下に伴い、相対的に男性ホルモン優位の状態が続きます。
産後の女性の身体は一時的に更年期のような変調をきたし、汗腺機能の調節や体温調節が上手くいかなくなってしまうのです。
また男性ホルモンが優位になることもあり、汗をかきやすくなります。
これを「産褥期多汗」と言います。
汗をかくと雑菌が繁殖してワキガの腋臭強度がます傾向にあり、汗が気化することでワキガの臭いを遠くまで運び、臭いが増します。
古谷 純朗 (2015)
形成外科診療 ガイドライン7 体幹・四肢疾患7
金原出版株式会社
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