ニキビの治療をする時は、当院ではスキンケアも一緒に見直しを行います。
どんなに治療をしても、日々のスキンケアが正しいものでなくては治療の効果を十分に発揮できないからです。
「洗顔をする時は、水だけがいい」「朝は顔を洗わない方がいい」「洗いすぎはお肌によくない」など、様々な洗顔に関する話がありますが、正しい洗顔とはどのようなものでしょうか?
今回は、スキンケアの基本「洗顔」についてお話したいと思います。
洗顔をする時は、洗顔料を使わずに水だけがいい?
結論から申し上げますと
洗顔には洗顔料を使う
ことを推奨しています。
重度のアトピー性皮膚炎の方や重度の乾燥肌の方などで洗顔料を使わない方が調子よく感じる方もいるかもしれませんが、基本的には洗顔料を使用して汚れや皮脂をきちんと除去することが肌トラブル予防となります。
特に、ニキビは毛穴つまりから始まる疾患です。
洗顔料を使って、しっかりと皮脂を洗い流しましょう。
朝は顔を洗わない方がいい?
寝具は、綺麗にしていても埃やダニなどの汚れがあるものですし、健康な大人で一晩にコップ約1杯ほどの寝汗をかくと言われています。
寝ている間も皮脂は分泌されているので、朝も洗顔料を使用してきちんと汚れを落とす必要があります。
洗顔は、1日に朝晩の2回を推奨
洗いすぎは、お肌に良くありません。
清潔を保つためにと、1日に5~10回も洗うと皮脂を取り過ぎてしまい肌トラブルの原因となります。
しかし、余分な皮脂はきちんと洗浄する必要があります。
スキンケアや薬の効果を十分に発揮するためにも、朝の洗顔は洗顔料を使用して行いましょう。
なんで泡立ててから洗顔する必要があるの?
お肌のざらつきや汚れは、擦らないと落ちない気がする方もいらっしゃるかもしれません。
たっぷりの泡で洗顔することでクッションの役割となり、摩擦による刺激からお肌を守ります。
摩擦はニキビ悪化の原因になる
ニキビを悪化させない為には、「触らない」「潰さない」ことは、とても重要です。
それ洗顔時も同じで、顔をゴシゴシと洗ってしまうと刺激となります。
洗顔時にニキビが潰れてしまう経験をした方も多いのではないでしょうか?
細かな泡は、油性成分をよく吸い込み、皮膚への負担を最小限に、こすらずに皮脂を落としてくれます。
泡洗顔や泡立てネットを使用するのもいいですね。
洗顔後、タオルで顔を拭く時も水を吸収させるように、やさしく肌を抑えるようにしましょう。
洗顔に適した温度は?
「冷たい水で顔を洗った方が毛穴が引き締まる」なんていう話を聞いたことがあるかもしれません。
洗顔時の水温は熱過ぎても冷た過ぎても刺激になり、肌荒れや乾燥を引き起こすこともあります。
洗顔には30~34℃が最適
40℃以上はNG
洗顔に適した温度は、皮脂が溶解する30℃から体温より少し低い34℃が最適な温度です。
40℃を超えるお湯での洗顔は、控えましょう。
不潔だからにきびができる?
にきびは不潔にしているからできるわけではありません。
毛穴のつまりがニキビの原因となるので、余分な皮脂や汚れを落とすことは必要ですが、1日に何度も洗顔して清潔を保ったとしても、逆にお肌に炎症が起きてしまってニキビが悪化する要因となりえます。
また、ニキビの原因として有名なアクネ菌は、実はニキビのない皮膚にも存在する常在菌です。
健康な肌のph値は弱酸性
アクネ菌は善玉菌で、肌を弱酸性に保ち、肌のうるおいを維持する働きがあります。
悪玉菌の繁殖を抑えたりと、お肌を守る重要な働きをしています。
善玉菌のアクネ菌も毛穴の中で増殖しすぎるとニキビを引き起こす原因となります。
「毛穴の詰まり」「過剰な皮脂」の2つの条件がそろうことでアクネ菌が繁殖しますので、アクネ菌をなくすのではなく『過剰に増やさない』ようにしましょう。
オイルクレンジングはニキビに悪い?
オイルクレンジングは、きちんとした使用方法でお肌に残留しないようにその後の洗顔をきちんと行えば、問題ありません。
オイルタイプではないクレンジングの方が、毛穴つまりのリスクは少ないですが、メイクがしっかりと落ちていることが重要です。
泡タイプやミルクタイプでメイクが十分に落ちないのであれば、オイルクレンジングで十分に落とすこともやぶさかではありません。
とはいえ、オイルクレンジングを推奨しているわけではなく、できるだけお肌にメイクもクレンジングも残留しない方がよく、ポイントメイクのみに使用する。泡でメイクも落とせる洗顔料を使うなど擦らずに綺麗にオフできる物を推奨します。
正しい洗顔方法
①予洗い
②泡立てる
③泡で洗う
④すすぐ
⑤拭く
~ 洗顔時の注意点 ~
擦らない!
ぬるま湯で洗う!
まとめ
ニキビ予防のスキンケアの基本は、
2.ノンコメドジェニック製品を使用する
3.お肌を擦ったり、触ったりしない
ニキビは毛穴の病気です。
しっかりと汚れを落としてから、ちょうどよく保湿を行いましょう。
そして、ニキビが出来たら潰さず触らず、なるべく早く皮膚科へ行くことが綺麗に治すコツです。