
内服薬
内服薬による治療について
傷痕治療は「外用・処置・レーザー」だけでなく、内側からのケア(内服治療)も重要です。
炎症・色素沈着・赤み・盛り上がりを抑える目的で他の治療と内服薬を併用する場合があります。
傷の状態・時期に応じて医師が処方します。
保険適用になるケース/ならないケース
保険適応になるケース
きずの場所や治り方である程度、瘢痕が目立つと判断された場合は、早期から保険治療を始めます。
保険適応とならないケース
一方、傷跡ができて時間が経ち、すでに傷跡が落ち着いていて、ひきつれもなく、それでも気になるという場合は、手術なども検討しますが、自費治療になることが多いです。
傷痕治療に内服薬が有効な理由
傷が治る過程で「炎症」「血流障害」「色素沈着」「異常なコラーゲン増生」など、様々な現象がおこります。
内服薬は
・炎症を抑える
・血行や代謝を改善する
・色味や盛り上がりを防ぐ
などの効果が期待できるので「外+内」からの治療で、よりきれいな治癒を目指します。
診断・検査について
傷跡の診断はその形状、色、ひきつれの有無、場所、拡大しつつあるなど、視診がほとんどです。経時的に大きさを測ったり、写真を撮影して、客観的に経過を見ていきます。
肥厚性瘢痕の重症なものとケロイドは肉眼的には診断がつきにくいものもありますが、保険適応となるものもありますので、ご相談ください。
当院で使用する主な傷痕治療の内服薬
トラニラスト(リザベン)
血行を改善し、傷の炎症を抑える作用があります。肥厚性瘢痕やケロイドの予防や治療に効果があります。傷の治りを促進し、赤みや盛り上がりを抑えます。
ただ、膀胱炎症状(下腹部痛、血尿など)を起こすことがありますので、経過に注意が必要です。保険で処方が可能なお薬です。
ビタミンC(シナール)
抗酸化作用があり、傷跡の色素沈着を防ぎます。また、コラーゲンの生成や皮膚の再生を促進します。
ビタミンE(ユベラ)
抗酸化作用があり、ビタミンCと相乗効果があります。肌のターンオーバーや血行を促進します。
トラネキサム酸(トランサミン)
色素沈着を抑制します。また炎症を抑える効果があり、ケロイドや炎症後色素沈着を改善します。
ビタミンB(ビタダン)
新陳代謝を促進し、肌の再生をサポートします。
補助的に有効な栄養・サプリメント
プロテイン
傷痕の組織再生に不可欠なタンパク質を補給し、傷の回復を早め、色味の改善をサポートします。
飲む日焼け止め
紫外線による色素沈着の予防して、傷痕が残りにくい環境づくりをサポートします。
内服治療の期間
通常の瘢痕は3カ月をピークに炎症が続きますので、それを目安に続けていきます。
ただし、肥厚性瘢痕やケロイドの状態によっては、もう少し長くなることもありますし、
副作用をみながら検討します。
副作用・注意点
リザベンは妊娠の可能性がある、または妊婦、腎機能障害や肝機能障害ワーファリン内服中の方は内服できません。またリザベンへの過敏症の既往がある方も内服できません。
副作用として多いのは、膀胱炎症状(頻尿、排尿時痛、下腹部痛、血尿、残尿感)、胃部不快感などを起こすことがあります。上記症状がみられた場合は、すみやかに受診し、医師にご相談下さい。
費用(保険適用の場合の目安)
保険治療(3割負担の場合)では、リザベンカプセル1回1カプセル、一日3回内服で、ひと月分が300円程度です。
よくある質問(Q&A)
傷の状態にもよりますが、傷が閉じた後の早い時期から内服を開始することで、赤み・盛り上がり・色素沈着を予防しやすくなります。
手術後や外傷後の経過を医師が確認し、適切なタイミングで処方いたします。
内服薬は傷痕治療において重要な役割を担いますが、内服薬のみで完全に改善するとは限りません。
外用薬、テープ療法、レーザー治療などを組み合わせることで、よりきれいな仕上がりを目指します。
トラニラスト(リザベン)など一部の内服薬は、症状によって保険診療で処方可能です。
ビタミン剤や補助的なサプリメントは自由診療となる場合があります。
詳しくは診察時にご説明いたします。
多くの方は問題なく服用できますが、
トラニラストではまれに膀胱炎症状(下腹部痛・血尿など)が出ることがあります。
体調の変化を感じた場合は、早めにご相談ください。
傷の大きさや種類、治癒の進み具合によって異なりますが、数週間〜数か月程度継続することが多いです。
経過を見ながら医師が調整しますので、自己判断で中止せず、指示通りの服用をおすすめします。
まとめ
傷の種類(手術痕・外傷・やけどなど)に応じた治療を行います。
内服・外用・処置を組み合わせた治療でできるだけ目立たない、きれいな治癒を目指します。
保険診療/自由診療どちらも対応可能ですので、傷痕でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

