外用薬

形成外科専門医による傷跡修正

傷痕治療に外用薬が有効な理由

形成外科では、傷あと・炎症・皮膚のトラブルなどに対して、症状や経過に応じた外用薬(塗り薬)による治療を行います。
外用薬は、患部に直接作用するため、体への負担が比較的少なく、日常生活を続けながら治療できることが特徴です。

外用薬治療の目的

外用薬は、主に以下のような目的で使用されます。

  • ・傷や手術後の創部の治癒を促進する
  • ・赤み・腫れ・かゆみなどの炎症を抑える
  • ・傷あとが盛り上がるのを防ぎ、きれいな治癒を目指す
  • ・感染を予防し、合併症のリスクを下げる

保険適用になるケース/ならないケース

保険適応になるケース

きずの場所や治り方である程度、瘢痕が目立つと判断された場合は、早期から保険治療を始めます。

保険適応とならないケース

一方、傷跡ができて時間が経ち、すでに傷跡が落ち着いていて、ひきつれもなく、それでも気になるという場合は、手術なども検討しますが、自費治療になることが多いです。

診断・検査について

傷跡の診断はその形状、色、ひきつれの有無、場所、拡大しつつあるなど、視診がほとんどです。経時的に大きさを測ったり、写真を撮影して、客観的に経過を見ていきます。
肥厚性瘢痕の重症なものとケロイドは肉眼的には診断がつきにくいものもありますが、保険適応となるものもありますので、ご相談ください。

当院で使用する主な外用薬

圧迫・固定療法

テープ、スポンジ、サポーター、シリコンゲルシート、コルセットで圧迫し、固定と患部の安静を保ちます。ただ材料の自費になることが多いです。

ステロイドの外用とテープ貼付

きずの保湿に、市販のオイルを使用したり、保険で処方可能なヘパリン類似物質含有クリームを塗ったり、炎症を抑えるためステロイド軟膏を塗布します。軟膏は入浴後に塗布します。

また処方可能なステロイド含有テープ(エクラープラスター🄬)を貼り、強力な抗炎症作用により、ケロイドや肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりを抑えます。ステロイドテープの場合は1日1回入浴前に剥がして、テープを張っていた部分を泡でよく洗い、入浴後に乾いた傷跡に貼付します。

エクラープラスターやステロイドの塗り薬は、長期間使用すると、ステロイドざ瘡(コメドが多発)やステロイド酒さ・口囲皮膚炎(顔面紅斑、丘疹、毛細血管拡張、カサブタ、皮むけ)を生じることがあります。経過を見ながら使用期間を決めていきます。

ビタミンAの外用

肌の代謝を早め傷の治りを促進します。自費になります。

ビタミンCの外用

色素沈着を抑える効果とコラーゲンの産生を促進して傷の治りをよくします。自費になります。

トラネキサム酸クリームの外用

色素沈着を改善します。自費になります。

外用薬使用時の注意点

外用薬の効果を十分に得るためには、正しい使い方を守ることが重要です。

  • ・用法・用量を守って使用する
  • ・自己判断で中止・変更しない
  • ・かぶれやかゆみ、赤みが強く出た場合は早めに受診する

外用薬だけで改善しない場合

外用薬による治療で十分な効果が得られない場合や、症状が進行している場合には、
他の治療法(内服治療・注射・処置・手術など)をご提案することがあります。

患者さまの症状やご希望を丁寧に伺い、できるだけ負担の少ない治療方法を一緒に考えていきます。

外用・テープ・レーザー併用の期間

使用するものにもよりますが、数か月から1年ほどが多いです。副作用との兼ね合いもありますので、経過を見ながら決めていきます。

よくある質問(Q&A)

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症状の程度によります。
軽度の炎症や傷あとであれば、外用薬のみで改善が期待できる場合もありますが、状態によっては内服薬や処置、手術などを併用することがあります。診察のうえ、適切な治療方法をご提案します。

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症状や使用する薬剤によって異なります。
数日~数週間で改善する場合もあれば、瘢痕治療などでは数か月継続して使用することもあります。医師の指示に従ってご使用ください。

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まれに皮膚のかぶれや赤み、かゆみが出ることがあります。
症状が強い場合や違和感が続く場合は、使用を中止せず、早めにご相談ください。薬剤の変更などで対応します。

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処方薬は、医師が症状に合わせて成分や強さを選択します。
市販薬では改善が難しい症状にも対応できる場合があり、より効果的かつ安全に治療を進めることができます。

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自己判断で中止することはおすすめできません。
症状が一時的に落ち着いても、治療途中で中止すると再発や悪化につながることがあります。中止や変更をご希望の場合は、必ず医師にご相談ください。

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基本的には医師から指示された回数・タイミングで使用してください。
入浴後など、皮膚が清潔な状態で塗ると効果的な場合が多いですが、薬剤によって異なるため、診察時にご説明します。

+

使用できる薬剤と、注意が必要な薬剤があります。
妊娠中・授乳中の方は、必ず事前にお申し出ください。安全性を考慮した治療をご提案します。

費用(保険適用の場合の目安)

ステロイド軟こうは数百円/本です。
エクラ―プラスターは一枚7.5cm×10cmで、11円です。

まとめ

外用薬による治療は、症状のある部位に直接作用し、体への負担を抑えながら治療を進められる方法です。
傷や炎症、術後のケア、傷あと治療など、さまざまな形成外科領域で幅広く用いられています。

症状や経過によっては、外用薬だけで十分な改善が期待できる場合もあれば、内服治療や処置、手術を組み合わせることが適切な場合もあります。
当院では、患者さま一人ひとりの状態を丁寧に診察し、できるだけ負担の少ない、適切な治療方法をご提案します。

気になる症状がある場合や、外用薬で改善しない場合も、どうぞお気軽にご相談ください。