アクロコルドン

形成外科医による皮膚腫瘍の治療

アクロコルドンについて

アクロコルドン

アクロコルドンは、首や胸元、脇の下などにできやすい良性の皮膚腫瘍です。
一般的には「首イボ」と呼ばれることもあります。

肌色~薄茶色をしていることが多く、柔らかく、ぷにぷにとした触感が特徴です。
形状はさまざまで、平らに近いものから、少し盛り上がったもの、細い「茎(くき)」で皮膚にぶら下がるような有茎性(ゆうけいせい)のものまであります。

多くは1~3mm程度の小さなサイズですが、まれに数mm以上に大きくなることもあります。
首周りに複数個まとまって発生する傾向があり、加齢とともに数が増える方が多いのも特徴です。

基本的に痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、衣類やネックレスに引っ掛かることで炎症を起こし、赤くなったり痛みを伴う場合もあります。

保険適用になるケース/ならないケース

アクロコルドンは、原則として良性腫瘍であり、見た目の改善を目的とした除去は保険適用外(自費診療)となることが多い疾患です。
ただし、以下のような場合には保険適用となる可能性があります。

  • ・出血や痛み、炎症を繰り返している
  • ・日常生活に支障が出ている(引っ掛かって出血するなど)
  • ・医師が医学的に切除が必要と判断した場合

最終的な保険適用の可否は、診察時の状態や部位、診断名によって判断されます。
詳しくは診察時に医師へご相談ください。

原因や診断について

「なぜ首イボができるの?」と疑問に思われる方も多いと思います。
アクロコルドンの明確な発症原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

加齢(老化)

加齢

年齢を重ねると皮膚のコラーゲンが減少し、ハリが失われてたるみやすくなります。
首の皮膚がたるむことで、衣服との摩擦などの物理的刺激を受けやすくなり、軟性線維腫(アクロコルドン)が生じやすくなると考えられています。

実際、30代以降から増え始め、中高年に多くみられる傾向があります。

摩擦や刺激

摩擦や刺激

衣類の襟元やネックレス、下着の縁などによる慢性的な擦れは、首イボの発生リスクを高めるとされています。

特にハイネックやタートルネック、金属製アクセサリーなどは、肌への刺激になりやすいため注意が必要です。
汗をかいて蒸れやすい環境も、摩擦と相まってリスクを高める可能性があります。

紫外線ダメージ

紫外線

首元は意外と紫外線を受けやすい部位です。
紫外線によるダメージが蓄積すると皮膚の老化が進み、アクロコルドンができやすくなる可能性があります。

夏場は、日焼け止めの使用やスカーフなどによる首元のUV対策も予防として有効です。

体質・ホルモンバランス

妊娠・出産、更年期

女性や肥満傾向のある方に多いとされ、妊娠・出産、更年期などのホルモンバランスの変化や、糖代謝異常などの生活習慣病との関連も指摘されています。

また、皮膚が柔らかい体質や遺伝的要素が関与している可能性もあります。

※アクロコルドンはウイルス性ではないため、人にうつることはありません。
ただし、急速に大きくなった場合や色・形が変化した場合は、悪性腫瘍との鑑別が必要となることがあるため、早めの受診をおすすめします。

治療・手術内容について

当院では、主に電気分解(電気メス)による焼灼除去を行っています。

局所麻酔を使用するため、処置中の痛みはほとんどなく、5分程度で除去が可能です。
大きさや数によっては、複数回に分けて治療を行う場合もあります。

「糸で縛れば取れると聞いて試した」
「ハサミで切ったら出血が止まらなくなった」

といった自己処理をされる方もいらっしゃいますが、感染や出血、傷あとが残る原因となるため非常に危険です。

首元は見た目以上にデリケートな部位です。
必ず医療機関で適切な処置を受けるようにしてください。

術後の経過とダウンタイム

手術当日は、
・患部を濡らさない
・強く触らない
・出血予防のため、長時間の歩行や飲酒を控える
といった点に注意が必要です。

翌日以降、
・出血が落ち着けば、創部を保護した状態でシャワー浴が可能
・激しい運動や創部に負担がかかる動作は控えていただきます

抜糸は、部位や手術内容によりますが、7~14日程度で行います。
抜糸後は、傷あとをきれいに保つために、テーピングや追加治療をご提案することもあります。

合併症・リスク

アクロコルドン除去は比較的安全な手術ですが、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • ・出血、感染
  • ・傷あとが赤く残る、盛り上がる
  • ・体質による瘢痕(ケロイド・肥厚性瘢痕)の形成

これらのリスクを最小限にするため、術後のケアや生活上の注意点について丁寧にご説明します。

生活の注意点

傷を濡らすことができるようになるのは基本的に抜糸後からです。
それまではテープを貼ったままで洗顔・シャワー浴が可能です。
抜糸が終わっても、縫った部分が強く引っ付くのは3週間程度かかります。それまでは患部を強く引っ張ったり、ぶつけたりしないようにしていただければ、日常生活に支障はありません。

よくある質問(Q&A)

+

良性腫瘍のため緊急性はありませんが、数が増えたり炎症を起こすことがあります。気になる場合は早めの相談をおすすめします。

+

局所麻酔を使用するため、処置中の痛みはほとんどありません。

+

取り除いた部位に再発することはまれですが、体質や生活習慣により新たにできることはあります。

+

小さいものはほとんど目立ちませんが、体質や大きさによっては赤みが残ることがあります。

+

出血や感染のリスクが高いため、自己処理は絶対に行わないでください。

費用(保険適用の場合の目安)

径2cm未満(露出部)のものを保険で摘出した場合は、3割負担で約5000円(+お薬代、テープ代)になります。
痛み止めや抗生剤などの内服薬も保険適応の場合が多いです。

まとめ

アクロコルドン(首イボ)は良性の皮膚腫瘍ですが、数が増えたり炎症を起こすことで、見た目や日常生活のストレスになることがあります。

自己処理は避け、専門医による安全な治療を受けることが大切です。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。