石灰化上皮腫

形成外科医による皮膚腫瘍の治療

石灰化上皮腫について

良性の腫瘍で、皮膚の一部が石のように硬いしこりができる病気です、明らかな原因は不明ですが、毛穴に存在する毛母細胞から発生することから毛母腫とも呼ばれます。若年者、特に小児の顔、首、腕に多く見られ、女性に多い傾向があります。
通常は無症状なことが多く、なかには痒みや押さえた時に痛みを伴うこともあります。通常は正常皮膚と同色ですが、皮膚が薄くなると青白色に見えることがあります。
石灰化上皮腫は触るとよく動きますが、触れても動きにくいものや大きいもの、皮膚が破けているものは、悪性腫瘍と区別がつきにくい場合があります。

保険適用になるケース/ならないケース

診察で石灰化上皮腫疑いと診断された場合は保険で摘出できます。

診断・検査について

症状からある程度推測して診断がつきますが、エコー検査やレントゲン検査で石灰化があれば、より診断されやすくなります。必要であればCT検査・MRI検査も行います。

治療・手術内容について

麻酔を行い、腫瘍上の皮膚を切開し、腫瘍を摘出し、病理組織検査をして診断をつけます。
腫瘍の大きさや患者様の年齢により、局所麻酔で日帰りで手術を行えるか、または入院して全身麻酔が必要になるかを判断します。

切開法

麻酔を行い、腫瘍上の皮膚を、腫瘍より一回り小さく線状に切開します。
腫瘍を摘出し、止血してから皮膚を縫合します。摘出物は病理組織検査をして診断をつけます。
腫瘍の大きさや患者様の年齢により、局所麻酔で日帰りで手術を行えるか、または入院して全身麻酔が必要になるかを判断します。

術後の経過とダウンタイム

手術当日は、
・患部を濡らさない
・強く触らない
・出血予防のため、長時間の歩行や飲酒を控える
といった点に注意が必要です。

翌日以降、
・出血が落ち着けば、創部を保護した状態でシャワー浴が可能
・激しい運動や創部に負担がかかる動作は控えていただきます

抜糸は、部位や手術内容によりますが、7~14日程度で行います。
抜糸後は、傷あとをきれいに保つために、テーピングや追加治療をご提案することもあります。

合併症・リスク

石灰化上皮腫の切除は比較的安全な手術ですが、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • ・出血、感染
  • ・傷あとが赤く残る、盛り上がる
  • ・体質による瘢痕(ケロイド・肥厚性瘢痕)の形成

これらのリスクを最小限にするため、術後のケアや生活上の注意点について丁寧にご説明します。

生活の注意点

傷を濡らすことができるようになるのは基本的に抜糸後からです。
それまではテープを貼ったままで洗顔・シャワー浴が可能です。
抜糸が終わっても、縫った部分が強く引っ付くのは3週間程度かかります。それまでは患部を強く引っ張ったり、ぶつけたりしないようにしていただければ、日常生活に支障はありません。

よくある質問(Q&A)

+

自然に消失することはまれで、多くは徐々に大きくなるため、手術で切除を検討されることをお勧めします。

+

腫瘍自体が非常にもろく、完全摘出できなかった場合は、再発する可能性はありますが、再手術で根治が期待できます。

費用(保険適用の場合の目安)

露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合、切除した石灰化上皮腫の合計

患者様のご負担が3割の場合

2cm未満 5,310~5,910円程度
2cm~4cm未満 11,340~11,940円程度
4cm以上 13,410~14,010円程度

患者様のご負担が1割の場合

2cm未満 1,770~1,970円
2cm~4cm未満 3,780~3,980円
4cm以上 4,470~4,670円

非露出部の場合(露出部以外)切除した石灰化上皮腫の直径の合計

患者様のご負担が3割の場合

3cm未満 4,170~4,780円
3cm~6cm未満 10,020~10,630円
6cm以上 12,810~13,420円

患者様のご負担が1割の場合

3cm未満 1,390~1,590円
3cm~6cm未満 3,340~3,540円
6cm以上 4,270~4,470円

まとめ

まだ小さなうちに切除することで、術後の傷跡も小さく済みますので、気になったらすぐに医師にご相談ください。