皮弁作成術

形成外科専門医による傷跡修正

皮弁作成術による治療について

皮弁作成術

皮弁作成術(ひべんさくせいじゅつ)とは、ご自身の皮膚や皮下組織を血流を保ったまま移動させて、欠損部や傷あとを修復する手術です。
単純な縫合が難しい場合や、傷の形・大きさ・部位に配慮が必要な場合に行われ、形成外科ならではの治療法といえます。

皮膚の色調や質感が周囲となじみやすく、機能面・見た目の両方を重視した再建が可能です。

保険適用になるケース/ならないケース

以下のような治療目的の場合は、健康保険が適用されます。

保険適用となるケース

     

  • ・皮膚腫瘍(粉瘤・ほくろ・皮膚がんなど)切除後の欠損修復
  •  

  • ・外傷(けが・やけど)後の皮膚欠損
  •  

  • ・瘢痕(きずあと)や拘縮による機能障害の改善
  •  

  • ・先天性疾患や病気に伴う皮膚欠損の修復

保険適用外(自由診療)となるケース

     

  • ・見た目の改善のみを目的とした美容的治療
  •  

  • ・医学的必要性が認められない場合

※最終的な保険適用の可否は、診察・診断のうえで判断します。

診断・検査について

診察では、以下の点を丁寧に確認します。

     

  • ・病変や欠損部の大きさ・深さ・位置
  •  

  • ・周囲の皮膚の状態や血流
  •  

  • ・機能への影響(まぶた・口・関節など)

必要に応じて、

     

  • ・ダーモスコピー
  •  

  • ・画像検査
  •  

  • ・病理検査(腫瘍が疑われる場合)

を行い、最適な手術方法を検討します。

治療・手術内容について

皮弁作成術は、欠損部の形や部位に応じて、いくつかの方法を使い分けます。

     

  • ・局所皮弁(近くの皮膚を回転・移動させる方法)
  •  

  • ・Z形成術などの形成外科的手技
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  • ・進展皮弁・回転皮弁・V-Y皮弁など

多くの場合、局所麻酔で日帰り手術が可能です。手術時間は、30分〜1時間程度が目安ですが、範囲によって異なります。

術後の経過とダウンタイム

・術後は腫れ・内出血が数日〜1週間程度出ることがあります
・痛みは軽度で、鎮痛剤でコントロール可能なことがほとんどです
・抜糸は5〜14日後が目安です(部位による)
傷あとは時間とともに落ち着き、3〜6か月ほどで徐々に目立ちにくくなります。

合併症・リスク

比較的安全性の高い手術ですが、以下のリスクがあります。

  • ・腫れ・内出血
  • ・感染
  • ・傷あとが目立つ、硬くなる
  • ・血流障害(皮弁の一部が壊死する可能性)
  • ・しびれや感覚の違和感

リスクを最小限にするため、術前評価と術後管理を丁寧に行います。

生活の注意点

・術後数日は、患部を強く動かさない
・入浴はシャワーから開始し、医師の指示に従う
・飲酒・激しい運動は一定期間控える
・傷を紫外線から守る(色素沈着予防)
日常生活への影響は比較的少なく、多くの方が早期に通常生活へ復帰できます。

よくある質問(Q&A)

+

局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。

+

皮膚のしわやラインに沿ってデザインするため、時間とともに目立ちにくくなります。

+

多くの場合、日帰りで可能です。

費用(保険適用の場合の目安)

保険適用(3割負担)の場合、おおよそ1万〜5万円前後が目安です。
※手術範囲・部位・併施する処置により前後します。
※別途、初診料・検査費・病理検査費などがかかる場合があります。

まとめ

皮弁作成術は、機能回復と見た目の両立を目指す形成外科の重要な治療法です。
保険適用となるケースも多く、医学的に必要な治療として安心して受けていただけます。

「この傷は治療できるのか」「保険が使えるのか」など、
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。