
瘢痕形成術
瘢痕形成術による治療について
目立つ傷あと(瘢痕)をできるだけきれいな状態に整えるための手術です。
けがや手術後に残った傷あとが、
- ・盛り上がっている
- ・引きつれて動かしにくい
- ・赤みや硬さが残っている
- ・見た目が気になる
といった場合に行われます。
形成外科の専門的な技術を用いて、傷の向きや縫い方を工夫し、目立ちにくい傷あとへ整える治療です。
保険適用になるケース/ならないケース
瘢痕形成術は、治療目的(医学的必要性)がある場合は、保険診療が適用されます。
以下のような場合は、形成外科的治療として保険診療の対象になります。
保険適用となるケース
- ・けがや手術後の傷あとで、痛み・つっぱり・動かしにくさがある
- ・関節付近の瘢痕により、日常生活に支障が出ている
- ・傷あとが原因で、機能障害が認められる
- ・明らかに異常な瘢痕(肥厚性瘢痕・ケロイドなど)で、治療が必要と判断される場合
保険適用外(自由診療)となるケース
- ・見た目をきれいにしたい、という美容目的のみの場合
- ・痛みや機能障害がなく、医学的な治療の必要性がないと判断された場合
- ・傷あとが軽度で、治療の必要性が低いと判断される場合
※「見た目をより美しく整えたい」というご希望のみの場合は、保険適用外となることが一般的です。
診断・検査について
瘢痕形成術では、特別な機器を使った検査は基本的に行いません。
主に、医師による診察(視診・触診)を中心に、治療の必要性や適応を判断します。
診察時には、以下の点を丁寧に確認します。
- ・傷あとの大きさ・形・色
- ・盛り上がりや硬さの有無
- ・つっぱり感や痛みの有無
- ・関節付近の場合、動かしにくさがないか
- ・傷ができた時期(いつ頃のけが・手術か)
- ・これまでに行った治療の有無
診察では、保険診療の対象となるかどうかもあわせて判断します。
- ・機能障害(動かしにくさ・痛みなど)があるか
- ・医学的に治療が必要な瘢痕か
- ・美容目的のみの治療ではないか
症状や既往歴によっては、以下を確認することがあります。
- ・既往症・内服薬の確認
- ・血が止まりにくい体質がないか
- ・ケロイド体質の有無
※通常は、血液検査や画像検査(レントゲン・CTなど)は不要です
診察後は、
- ・治療方法
- ・手術の内容
- ・想定される経過
- ・リスク・合併症
- ・費用(保険/自費)
について、患者さんにわかりやすくご説明します。
ご不安やご希望を伺いながら、治療方針を一緒に決めていきます。
治療・手術内容について
瘢痕形成術では、既存の傷あとを一度切除または修正し、再度丁寧に縫合します。
皮膚のしわの流れ(皮膚割線)に沿って縫い直すことで、将来的に目立ちにくい傷あとを目指します。
傷の状態により、以下のような方法を組み合わせて行います。
- ・単純縫合
- ・Z形成術などの形成外科的手技
- ・瘢痕切除
術後の経過とダウンタイム
<手術当日>
・軽い痛み・腫れ・赤みが出ることがあります
・痛みは処方された痛み止めでコントロール可能な場合がほとんどです
・傷の部位によっては、つっぱり感を感じることがあります
・手術当日は、激しい運動や長時間の入浴は控えてください
※強い痛みや出血が続く場合は、早めにご相談ください。
<ダウンタイムの目安>
・腫れ・赤み:数日〜1週間程度
・痛み:数日程度
・抜糸:約5〜14日後
・日常生活:翌日〜数日で可能
・傷あとが落ち着くまで:数か月
合併症・リスク
以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- ・出血、感染
- ・傷あとが完全に消えるわけではない
- ・赤みや硬さが一時的に残る
- ・体質により、再び瘢痕が目立つ場合がある
不安な点があれば、診察時に丁寧にご説明いたします。
生活の注意点
・当日は激しい運動を避けてください
・入浴は医師の指示に従ってください(シャワーは翌日から可能な場合が多いです)
・傷を強く引っ張らないよう注意してください
・紫外線対策を行うことで、傷あとがきれいに治りやすくなります
よくある質問(Q&A)
完全に消すことはできませんが、目立ちにくく整えることが目的の治療です。
手術中は局所麻酔を使用するため、強い痛みはほとんどありません。
傷の赤みや硬さは数か月かけて徐々に落ち着いていきます。
費用(保険適用の場合の目安)
保険適用での瘢痕形成術は 数千円〜2〜3万円前後 が一般的な目安です。
傷あと(瘢痕)の長さや状態に応じて点数が変わるため、3割負担額は幅があります。
診察時に医師が保険適用・自費適用の判断と費用の説明をしますので、まずはご相談ください。
まとめ
傷あとは、見た目だけでなく、つっぱりや違和感など日常生活に影響することもあります。
瘢痕形成術は、形成外科の専門的な視点で、機能面と見た目の両方に配慮した治療です。
「この傷、治せるのかな?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

