ケナコルト注射

形成外科専門医による傷跡修正

ケナコルト注射について

トリアムシノロンを含むステロイド注射は、炎症を抑え、過剰なコラーゲンを抑制することで、ケロイドや肥厚性瘢痕の症状を軽減するために用いられる局所ステロイド注射です。ケナコルトは、ケロイド組織に直接注射され、数回にわたり定期的に投与することで、瘢痕の柔らかさや平坦化を促進します。ステロイド治療の中では最も直接的で有効ですが、注射時の痛みがあり、小児では困難な場合があります。

ケナコルト注射の作用メカニズム

瘢痕形成術は、治療目的(医学的必要性)がある場合は、保険診療が適用されます。
以下のような場合は、形成外科的治療として保険診療の対象になります。

1.炎症の抑制

ケロイドは体内の免疫反応によって炎症が続き、肥厚することで形成されます。ケナコルトに含まれるトリアムシノロンアセトニドは強力な抗炎症作用を持ち、免疫反応を抑制し、瘢痕内部を沈静化します。

2.コラーゲン生成の抑制

ステロイドの作用により、過剰に生成されるコラーゲンが抑制され、瘢痕が成長するのを防ぎます。このため、ケロイドが平坦になり、さらに痛みやかゆみが軽減されることが期待されます。

3.血管収縮効果

ケロイド組織内の血管収縮を促し、酸素や栄養がケロイド組織に供給されるのを抑制し、ケロイドの肥大を防ぎます。

頻度と施術

ケナコルト注射の頻度は4週間に一度のペースで数回行うことが一般的です。ケロイドの大きさや厚み、場所などで異なりますが、治療は数か月にわたることが多いです。
施術中は注射時に多少の痛みを伴いますが、局所麻酔を一緒に注入することである程度軽減することができます。

副作用とリスク

以下のような副作用とリスクが生じる可能性があります。

  • ・皮膚の萎縮:注射部位の皮膚が薄くなることがあります。
  • ・毛細血管拡張
  • ・色素沈着と色素脱失:注射部位が白くなる(色素が失われる)ことや、逆に色が濃くなることが知られています。
  • ・ざ瘡
  • ・頻度は低いですが、ホルモン異常も報告があり、女性で生理不順が起こることがあり、妊娠希望予定者や妊婦へのケナコルト注射は禁止されています。

他の治療との併用

ケナコルト注射は、圧迫療法、外用治療など、他のケロイド治療と併用することで、より高い効果が得られる場合があります。