睫毛内反症(逆さまつげ)

目周りの治療

睫毛内反症の治療について

上眼瞼の睫毛内反とは?

上まぶたには、まつ毛(以下睫毛)を外向きにさせる穿通枝という組織があります。それが目を開けた時に睫毛を引っ張り上げ、また同時に皮膚も引っ張るため、まつ毛は外を向き、同時に二重ラインを作ってくれています。
ところがこの穿通枝がない、またはそれに近い状態だと、目を開けた時に睫毛が外側を向いてくれず、逆に皮膚に押されて内側を向いてしまう状態になります。
一重瞼の人や子供に多く、睫毛で角膜が傷つき、炎症を起こすことがあります。
治療は穿通枝を再建します。糸を通して「点」で再建するのが埋没法、切開した部分全体の「線」で再建するのが切開法となります。

下眼瞼の睫毛内反とは?

上眼瞼の睫毛内反と同様に、睫毛を外反させる穿通枝の欠損が原因ですが、日常生活では上を見るより、下を見る機会が多いため、眼球と睫毛が強固に接触して、上眼瞼よりも重症になりやすいです。
また0歳児では50%に睫毛内反が存在しますが、睫毛が細く短いため、ほとんどが無症状です。成長とともに頻度は減り、12歳以上では2%程度になりますが、まつ毛自体が成長して、太く濃くなるため、症状はひどくなります。
眼をこする、光をまぶしがる、充血する、目やにが出るなどの症状が悪化した場合は、12歳を待たずに手術を早期に行って改善させる方がよいです。
治療は内反の範囲や皮膚の余り具合にもよりますが、埋没法では再発しやすいため、皮膚切開法を選択されることが多いです。
また加齢や瞼縁の慢性炎症に伴い、まぶた自体が内側に倒れる(眼瞼内反症)ことによる睫毛内反もあります。

保険適用になるケース/ならないケース

医師の診察で睫毛内反と診断された場合は、治療は保険適用となることが多いです。
上眼瞼の睫毛内反は症状にもよりますが、保険による手術が可能です。
下眼瞼睫毛内反は、成長の過程で改善がみられず、角膜炎や症状がある場合には、保険による手術が適応となります。

診断・検査について

睫毛内反の診断は医師の問診と視診で行います。さらに自覚症状が乏しい場合でも、角膜の状態を評価していただくため、手術前に眼科受診をお勧めします。

治療・手術内容について

1)保存的治療
まつ毛抜去で一時的に症状が改善しますが、睫毛が生えると再発しますので、手術をお勧めします。

2)手術治療
眼瞼の睫毛内反の手術には、埋没法切開法(Hotz変法)があります。
埋没法は皮膚を切らずに、瞼の上から数か所を糸で縫合し、内側に曲がった瞼を外側に引っ張り固定します。
下眼瞼の睫毛内反の手術は、埋没法では再発しやすいため、皮膚切開法を選択されることが多いです。
切開法は余分な皮膚と眼輪筋を切除し、皮膚・瞼板・皮膚と縫合し、睫毛を外反させます。
また老人性瞼板内反症による睫毛内反は、加齢に伴う瞼の緊張低下と眼輪筋の収縮が原因なので、下眼瞼下制筋前転術といって、下瞼を下に引く靭帯を補強して、縫い縮め、緩んだ瞼を引き締める方法などを用います。

術後の経過とダウンタイム

当日は手術した部位を濡らしたり、触ったりせず、軟膏を薄くぬり、浸出液がある場合はガーゼを当てます。また、出血や腫れを防ぐために、血巡りがよくなるようなことを避ける必要があります。
翌日以降は、仕事は可能ですが、激しい運動や創部に負担になることは避けてください。また、やさしく洗顔するのは可能になります。
抜糸は手術の内容にもよりますが、術後1週間前後に行います。
傷跡は、特に下眼瞼で目立ちやすいため、擦ったり、日焼けを避けたりしていただく必要があります。

合併症・リスク

以下のようなリスクがあります。事前に十分にご説明します。

  • ・腫れ
  • ・内出血
  • ・傷跡
  • ・左右差
  • ・再発
  • ・感染
  • ・縫合不全

これらのリスクについては、事前に十分にご説明します。

生活の注意点

術後しばらくは、目を擦ったり、ぶつけないようにしてください。
洗顔や入浴は医師の指示に従ってください。

よくある質問(Q&A)

+

同時にはおこないません。万が一、腫れたりガーゼ保護が必要な状態になった場合、上下から視野が狭くなると危険ですので、1カ月ほど開けて2回にわけて行います。

+

診察はできますが、睫毛が生えていた方が状態が分かり易く、手術法もより詳しくご提案をしやすいです。

+

睫毛内反は蒙古ひだなどが大きく影響している場合があります。内反症手術とともに内眼角形成手術などを併用することも検討します。

費用(保険適用の場合の目安)

手術方法によって値段がかわります。

埋没(縫合)法

患者様のご負担が3割の場合

料金表
片目 5,970円
両目 11,940円

患者様のご負担が1割の場合

料金表
片目 1,990円
両目 3,980円

皮膚切開法

患者様のご負担が3割の場合

料金表
片目 7,770円
両目 15,540円

患者様のご負担が1割の場合

料金表
片目 2,590円
両目 5,180円

眼瞼下制筋前転法

患者様のご負担が3割の場合

料金表
片目 12,690円
両目 25,380円

患者様のご負担が1割の場合

料金表
片目 4,230円
両目 8,460円

まとめ

放置すると角膜に傷がつき、視力低下や角膜潰瘍の危険性があるので、早めにご相談ください。